ネットワークエンジニアは、とネットワークの知識とスキルさえあれば仕事ができるというわけではありません。
提案やネットワーク設計など、上流工程の仕事ほどネットワーク以外の知識・スキルが必要になってきます。
ネットワーク以外の知識は、例えば「サーバー」「セキュリティ」「クラウド(ゲートウェイ)」の知識です。
この記事ではネットワークエンジニアとサーバエンジニアの違いを説明していますが、まずはネットワークエンジニアと関係性の深いサーバエンジニア、クラウドエンジニア、インフラエンジニアについて概要を説明します。
ネットワークエンジニア
ネットワークシステムに特化したエンジニアのこと。ネットワーク技術を対象として提案・設計から構築、運用などを行います。ネットワークはTCP/IPをはじめとする多くのプロトコルを扱っています。
サーバーエンジニア
サーバーシステムに特化したエンジニアのこと。サーバー技術を対象として提案・設計から構築、運用などを行います。サーバーにはWebサーバやメールサーバーなど役割ごとに機能が異なるものが多くあります。
クラウドエンジニア
パブリッククラウドに特化したエンジニアのこと。クラウド上でシステムを構築するための提案・設計から、構築、運用などを行います。パブリッククラウドにはマイクロソフトAzure、アマゾンAWSなどウ複数の企業から提供されています。
セキュリティエンジニア
セキュリティ対策ソフトの選定や導入、管理をおこなうことでサイバー攻撃への対処、企業内の情報漏洩対策を行います。ITインフラに関する知識がなければセキュリティエンジニアの仕事をすることは難しいです。
インフラエンジニア
ネットワーク・サーバーといったシステムのインフラ部分を扱うエンジニアのこと。ネットワークやサーバー、セキュリティなど幅広い知識が必要になります。最低限、ネットワークの知識がなければインフラエンジニアの仕事をすることは難しいです。
ネットワークエンジニアとサーバーエンジニアの違いは何?
ネットワークエンジニアとサーバーエンジニアの大きな違いは、どちらの分野に特化したエンジニアなのか?ということになります。
- ネットワークエンジニアであればネットワークに関するスキルに特化
- サーバーエンジニアであればサーバーに関するスキルに特化
しかし、ネットワークエンジニアだからネットワークに関する知識だけがあれば業務をこなしていけるかというと、そうではありません。
サーバーエンジニアも然りです。
システムは一貫したデータの流れであるため、システム提案や障害が発生した場合には、システムの全体を把握している必要があります。
ネットワークエンジニアとサーバーエンジニアが打ち合わせをする機会も多いため、お互いに相手がなにをしているのかを把握していなければ打ち合わせにすらならなくなります。
ネットワークエンジニアはサーバーエンジニアのスキルがなければいけないということではありません。あくまでデータの流れや処理、どのようなプロトコルを使用しているのかをシステムごとに把握する必要がある、程度です。サーバーエンジニアも然りです。
実際にネットワークの構築試験をする場合には、ネットワークエンジニアが仮想サーバを試験的に構築することもあります。
データの流れや正常なパケットをサーバーに渡しているかを試験的に確認、サーバーから正常な応答がくるのかをあらかじめ確認します。
とはいえ、ネットワークとサーバー、どちらも専門性を高めていくことは短期間では難しいため、それぞれに特化したエンジニアの職業が存在するということになります。
SIerと社内SEからみる違い
社内SEは企業のIT担当として企業内のネットワークシステムからサーバーシステムまで、一貫して把握する必要があります。
この場合はインフラエンジニアとして働くことが多いです。
大企業などはネットワークチームとサーバーチームに分かれていることがあります。転職するさいは募集要項をきちんと確認すること、企業へ直接配属先を聞いてみると認識違いを防ぐことができます。
インフラエンジニアとして従事しているユーザー(発注元)に対し、システムを提案する側であるSIerは相手以上にネットワークとサーバー、両方の知識が必要となります。
案件規模によっては社内SEからネットワークベンダーとサーバーベンダー両方に発注することもあるため一概には言えませんが、上記の理由から提案・設計を担当するネットワークエンジニアは広い範囲の知識が求められます。
転職するにはどちらがいいのか?
ネットワークエンジニアだとネットワークシステムに特化したスペシャリストを目指すことができます。
また、大手のネットワークエンジニアに転職することができれば提案や設計といった上流工程からシステムに関わることができます。
サーバーエンジニアだとサーバーシステムに特化したスペシャリストを目指すことができます。
ネットワークエンジニアであれば通信の仕組みを、サーバーであればOSなどアプリケーションの深い知識を身に付けることができます。
どちらの職種に就いても幅広い知識が必要になってくるため、まずは転職したい企業の「募集要項」を確実に確認し、興味のある企業へ応募してみてはいかがでしょうか。
どちらの職種が優れているなど優劣はつけることができませんが、どちらも未経験であれば比較的敷居の低いネットワークエンジニアをオススメします。
ネットワークエンジニアを経験して思うこと
わたしは未経験からの転職でネットワークエンジニア、その後インフラエンジニアとして転職しています。
ネットワークエンジニアを経験して思うのは、
- 世の中全てネットワークでつながっている
- ネットワークのスキルが基礎として必要な職種は多い
ということです。
「世の中全てネットワークでつながっている」について、これは正直あたり前と言われてしまえばそれまでですが、世界中で需要があるということになります。世の中はネットワークがなければ成り立たなくなっています。
「ネットワークのスキルが基礎として必要な職種は多い」についてですが、ネットワークのスキルはサーバーやインターネットセキュリティ、パブリッククラウド、社内SEなど幅広い職種で必要になってきます。
ネットワークのスキルがあれば一生くいっぱぐれることは無いという意味で、私はネットワークエンジニアに転職して正解だったと感じています。
ネットワークエンジニアの需要は今後無くなると言われている情報が他のサイトに記載されていることがありますが、それは間違いです。
仕事内容という意味では少しずつ変化しています。少し前までは実機(ハードウェア)であるネットワーク機器を触ることが多かったのに対し、年々パブリッククラウドに移行する割合が増えています。
クラウド環境であればオンプレ環境を構築する必要がないことから、ネットワークエンジニアの需要も無くなると言われています。
しかし、企業のシステムすべてをクラウド上へ移行する企業はさまざまな理由から多くありません。大企業であればオンプレ+クラウドのハイブリッド構成が主流です。
全てを移行できない理由として、クラウド上で再現できなくてオンプレを残す・クラウドシステムのランニングコストが高価であることがあげられます。
クラウド上にシステムを構築する上でネットワークの知識は必須です。需要が無くなるのではなく、働き方がシフトしていっていると理解していただけたらと思います。
この記事のまとめ
ネットワークエンジニアとサーバーエンジニアの違いは何?について記載しました。
ネットワークエンジニアとサーバーエンジニアではそれぞれで仕事内容や異なりますが、最終的に求められる技術はどちらも幅広く、重複している部分も多くあります。
IT未経験でエンジニアへ転職したいという方は、ネットワークエンジニアからITの世界に入ることをおすすめします。