在宅ワークとは、在宅勤務(テレワークの一種)として扱われることが多いですが、テレワークとは異なる働き方になります。
厚生労働省では「在宅ワーカーのためのハンドブック」を公開していて、次のように記載しています。
在宅ワーカーとは
在宅ワーカー、個人事業主です。会社員とは違います。
例えば、
- 雇用保険の被保険者ではありません。
- 確定申告を行う義務があります。
- 通常、国民年金、国民健康保険に加入します
出典:厚生労働省
つまり、在宅ワーク(=在宅ワーカーであり、個人事業主)はテレワーク(在宅勤務、雇用関係有)とは異なる働き方になります。
言葉の違い
リモートワーク=テレワークとしても使われています。
テレワークは厚生労働省できちんと定義付けされていることが関係しているのか、自治体などで良く耳にします。
リモートワークはIT・民間企業で聞くことが多いです。「会社外で勤務する」という表現に変わりはないため言葉そのものの違いはありません。
この記事では、在宅ワークの働き方の特徴やメリット・デメリットについて紹介していきます。
この記事でわかること
- 在宅ワークの特徴
- 在宅ワークのメリット・デメリット
在宅ワークの特徴
在宅ワークをする場合自分の力で仕事を受注する必要があります。
最近だとクラウドワークスなどのクラウドソーシングサービスを利用することで、スキルがなくてもお金を稼ぐことができます。
個人で仕事を契約する必要がある
受注方法は多くありますが、以前の勤め先や知人の紹介から仕事を受注する割合が多いようです。
ただし、「副業」に限定した場合は公募でのマッチングサイトを利用(=クラウドソーシングサービス)がメインとなりそうです。4.0%と非常に少なく感じますが、例えばクラウドワークスのみを対象としても約356,423件(2021年2月3日)の案件が情報が検索されます。
クラウドソーシングサービスであれば発注者と受注者の間にシステムが介入することで、未払いや一方的な仕様変更を未然に防ぐことができますが、人 対 企業の場合を想定すると契約書や請求書、税金などの対応は自分で行う必要があります。
コミュニケーション能力や人脈が必要
仕事は一人で完結できるものではありません。企業に勤めている場合は「営業」「技術」「事務」「経理」など、それぞれ特化したポジションで働くことが多いと思いますが、在宅ワーカーはこれらを自分一人、または外注して進めていく必要があります。
仕事ができるスキルに加え、重要なのがコミュニケーション能力と人脈になります。これらは受注できる仕事の数や質に大きく影響していきます。例えば、発注者からしたら「素性を知らないプロ」よりも「要件を満たしてくれる知人」のほうが依頼しやすいと思います。
在宅ワークのメリット
在宅ワークの一番のメリットは「どこでも仕事ができる」に尽きます。
仕事の内容も多岐に渡るため、自分で「どんな仕事がしたいか」を選ぶことができます。
時間や場所に縛られない働き方ができる
テレワークに共通する部分ではありますが、発注者から直接仕事を受ける関係上、自宅・カフェなどで仕事をすることになります。テレワークと異なる部分は、すべてを自身の責任で進めていくこと、同じ組織に属する人が集まるオフィス環境が存在しないことです。
仕事の種類が豊富
テープ起こしといった専門スキルが不要な仕事から、設計・製図といった専門性が高い仕事まで幅広くあります。
クラウドソーシングサービスでは他にもアンケートモニターや電子書籍原稿の作成など、多くの仕事の依頼が日々更新されています。
在宅ワークのデメリット
仕事が途切れると生活に支障がでる
副業で在宅ワークを小遣い稼ぎとしてとらえている場合は問題ないと思いますが、本業として取り組んでいる場合に仕事が途切れると生活に支障がでます。
特に人気のある仕事内容だと供給(案件数)に対して需要(在宅ワーカー)が上回り、なかなか受注できない期間が発生することも考えられます。
月の7割以上が手取30万以下であり、継続的に高収入を得るためには他者以上の努力が必要になります。定期的に仕事が依頼されるよう、発注者との信頼関係が大切です。
発注者とのトラブル発生時には不利
報酬の支払い遅延や、デザイン・仕様などを一方的に変更されるなどのトラブルが発生した場合、個人事業種は不利になりやすいです。
トラブルが発生すると交渉が合意までに多くの時間を無給で消費することになり、トラブルが大きくなると今後の取引がなくなる可能性もでてきます。
ここでも発注者との信頼関係は非常に重要で、円滑に仕事を進めていけるようなコミュニケーション能力やトラブルを事前に回避するような立ち回りが必須となります。
この記事のまとめ
在宅ワークについての特徴などを紹介しました。簡単にまとめると以下のような働き方になります。
メリットがある反面、当然デメリットや個人に合う/合わないがあります。テレワーク鬱(うつ)という言葉があるように、自宅で黙々と働き続けることが辛いという声は結構聞きます。
在宅ワークまとめ
- テレワーク(雇用型)と異なり、個人事業種としての働き方
- 仕事を進めていく上ではコミュニケーション能力と人脈が必須
- 仕事の種類が豊富
- 7割が月30万円以下の手取
- トラブルが発生すると不利になりやすい
在宅ワーカーに興味がある場合、まずは副業から始めることをオススメします。
在宅ワーカーとしての働き方が自分に合っているのかを試す意味でも、初っ端から今勤めている会社を辞めるという冒険はしないようにしましょう。