デスクトップ型パソコンと比較して、持ち運びできる・省スペースで使用することができるノートパソコンは非常に便利です。
しかし、ノートパソコンは販売しているメーカーも多くラインナップが豊富であるため、「スペックのどこを確認したらいいのか?」「メーカーはどこでもいいのか?」などの疑問が浮かび、購入のさいに悩まれる方は多いのではないでしょうか。
今回の記事では、パソコンを選ぶときに確認するべき性能や外観の違いについて、重要なポイントを押さえて紹介していきます。パソコン選びの参考にしていただけたら幸いです。
この記事でわかること
- ノートパソコンのOSについて
- ノートパソコンの外観や性能に関すること
- おすすめのメーカー
ノートパソコン OSの違い
OS(Operating System:オペレーティングシステム)はパソコンを動かすのに必要なソフトウェアのことです。
コンピュータ全体のハードウェアやソフトウェアを管理し、ユーザーが利用できるようにさまざまなサービスを提供します。
OSがなければパソコンを起動しても利用することができなくなるため、必ず必要です。
パソコンのOSには、Microsoft社が開発した「Windows」、Apple社が開発した「Mac」、オープンソース(フリーライセンス)である「Linux」の3種類がシェアのほとんどを占めています。
ただし、一般的に販売されているパソコンを購入する場合は、アプリケーションが充実していてセキュリティ管理が容易な「Windows」か「Mac」から選択することになります。
特別こだわりがなければ、シェアの大半を占め、利用ユーザー数が最も多いWindowsを選ぶことをおすすめします。
OSの種類
- Windows(ウィンドウズ)
- Mac(マック)
- Linux(リナックス)
Windows
最も多くのシェアを占めているのはMicrosoft社の「Windows(ウィンドウズ)」となります。多くのパソコンメーカーではWindowsOSを搭載したモデルを製造しているため、ラインナップが豊富で安く購入することができます。
価格や性能はメーカーやモデルによって異なり、初心者向けモデルからビジネス用、高スペック機と幅広く展開している点も特徴です。
パソコンといえばまずWindowsが頭に浮かぶ方は多いではないでしょうか。
Mac
Apple社から提供されているMacOSは、Apple製品のみに搭載されていて統一感のあるデザインと高い性能を実現しています。
ひと昔前はクリエイター用のソフトウェアや画像や映像の表現が優れていたことから、デザイン・クリエイター用といえばMacと言われていました。
現在はデザイナー向けのソフトウェアはWindowsでも充実していて、その差はほとんどありません。
ノートパソコン 外観の違い
ノートパソコンの外観を選ぶときには、ディスプレイサイズ・素材・重量を確認する必要があります。
直接性能には関係ありませんが、「デザイン性」もパソコンを選ぶうえで楽しみのひとつですね。
デザインが気に入っているノートパソコンだと使いたいという気分にもなりますし、愛着もわきます。
外観面で確認する点は以下になります。
- ディスプレイ
- 重量
- 材質
ひとつずつ解説していきます。
ディスプレイ
ディスプレイで確認するべきなのは「ディスプレイサイズ」と「液晶表面加工」、「解像度」です。
ディスプレイサイズは持ち運びや作業のしやすさに影響し、液晶表面加工(液晶タイプ)は光の反射に影響します。
解像度は画面の繊細さ(より細かく表現すること)に影響します。
ディスプレイサイズ
ビジネスの場では13.3インチ~15.6インチのノートパソコンが好まれることが多いです。
画面が小さいと感じる場合はデュアルディスプレイで画面を拡張することが可能なので、持ち運びができる大きさが優先されます。
自宅で使用するなど、基本的に外へ持ち出すことが無い場合は、15.6インチ以上のサイズを選んでも問題ないでしょう。
ディスプレイサイズ参考値
- 12インチ・・・横26.53cm × 縦14.94cm
- 13インチ・・・横28.73cm × 縦16.18cm
- 15インチ・・・横33.15cm × 縦18.67cm
- 17インチ・・・横37.57cm × 縦21.16cm
- 21.5インチ・・・横47.51cm × 縦27.3cm
液晶表面加工
パソコン作業をする場合はアンチグレアを選ぶことをおすすめします。アンチグレアであれば目に対する負荷が軽減され、長時間作業でも疲れにくくなります。
ただし、グレアモニターでも「反射防止」処理がされている場合は鮮やかなコントラストと光の反射防止(=目の疲れを軽減)を両立しているためおすすめできます。
液晶表面加工の違い
- グレア・・・光沢のあるパネル。鮮やかなコントラストを表現でき、動画視聴などを綺麗に視聴することができる。光を反射するため映り込みがあり、目が疲れやすい。
- アンチグレア・・・光沢のないパネル。映り込みがないため、文字を読むことに適している。長時間使用しても目が疲れにくい。コントラストではグレアに劣る。
解像度
解像度は他にも下記以外にも種類がありますが、パソコンモニターのディスプレイはおよそ3つに分類されることが多いです。
解像度が高ければより繊細に画面が表示されるようになります。
これは画面を映すためのドット数が増えることによるものですが、高解像度であればあるほどCPU、GPUにかかる負荷が大きくなります。
解像度が高くなるほど、バッテリー駆動時間が短くなる・価格が高くなるなどのデメリットもあります。4Kカメラをもっているから写真をパソコンでみたいなど、明確な使用用途がなければ基本的にFHDで十分です。
解像度の違い
- FHD・・・1920 × 1080
- WQHD・・・2560 × 1440
- 4K(QFHD)・・・3840 × 2160
重量
ノートパソコンには「持ち運びができる」というメリットがあります。
持ち運びが気軽にできる基準は重さだと思いますが、モデルやスペック、ディスプレイサイズによって結構変わってきます。
重いモデルだと持ち運べるメリットを損なう反面、パソコンのスペックが少し上がるなどの特徴もあります。
副業をするために持ち運ぶことも多いのであれば、性能とのバランスがとれている1.5kg以下のモデルを選ぶことをおすすめします。
重さ別の特徴
- 1kg未満・・・片手で持って操作することができる
- 1~2kg未満・・・一般的な重さ。持ち運びにも不便が無い
- 2kg以上・・・持ち運びは不便。スペック重視
材質
材質は筐体の外側や内側で異なるものを使用することがありますが、大きく分けて3種類に分けられます。プラスチックとアルミ素材が使われる製品が多いです。
- プラスチック(ポリカーボネートという耐久性の高いプラスチック)
- カーボンファイバー(酸素繊維強化プラスチック)
- アルミ
プラスチックとアルミ素材の違い
- プラスチック・・・強度を得るために厚みが必要。放熱性がアルミと比較して悪い
- アルミ・・・高級感がある。薄くても強度がある。放熱性が良い
ノートパソコン 性能の違い
CPU
CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)は人間でいうところの「脳」にあたり、コンピュータ全体の処理速度に影響します。
現在広く普及しているのはIntel社の「Core iシリーズ」と、AMD社の「Ryzen」シリーズです。
動画視聴やOffice、インターネット閲覧、VDI(VMware Horizon Client)での業務利用の場合、Intel社ではCore i5、AMD社の場合はRyzen 5であれば問題なく快適に使用することができます。(FHDでのインターネット閲覧程度であればCore i3、Ryzen 3でも快適)
将来的に画像編集や動画編集を予定している場合はCore i7、Ryzen 7をおすすめします。
メモリ
メモリはデータを一時的に保存するための部品です。
良く例えられるのは、CPUは人間、メモリは作業机のスペース、ストレージは引き出しといった感じです。
メモリ容量の目安
- 4GB・・・インターネット閲覧など一般的な利用
- 8GB・・・高画質な動画の視聴など
- 16GB・・・PCゲームなど高度な処理が必要とするもの
- 32GB・・・動画編集など
ストレージ
ストレージ(記憶領域)は写真や動画、アプリケーションなどのデータを保存するために必要となります。
ストレージにはHDD(Hard Disk Drive:ハードディスクドライブ)とSSD(Solid State Drive:ソリッドステートドライブ)の2種類に分けられます。
ストレージ容量が足りなくなった場合でもUSB外付けのストレージで拡張することが可能なため、いきなり大容量を購入する必要はありません。HDDであれば512B、SSDであれば256Bあれば問題ないでしょう。
ストレージ | メリット | デメリット |
HDD | ・価格が安い ・SSDと比較してデータ容量が大きい | ・データの読み書き速度が遅い ・衝撃に弱い ・消費電力が高い |
SSD | ・データの読み書き速度が速い ・サイズがコンパクトで軽い ・消費電力が低い ・パソコンの起動時間が高速になる | ・価格が高い ・データ容量がHDDと比較して少ない |
GPU
GPU(Graphics Processing Unit)のことで、3D表現や画像描写を行うときの計算処理に必要なプロセッサ(半導体チップ)のことです。
動画編集や4Kモニタのデュアルディスプレイの利用を想定している場合には、高性能モデルを選ぶ必要があります。
外付けのGPUボックス(グラフィックボード)も販売されています。
バッテリー駆動時間
外出先でノートパソコンを使用する場合、バッテリー駆動時間を確認しておきましょう。
バッテリー駆動時間は電気を供給していない状態でパソコンを利用することができる時間になります。
バッテリー残量が減ってきた場合に省電力モードで動作することも可能ですが、目安としてはカタログスペックで8時間以上バッテリー動作できるモデルを選ぶことをおすすめします。
オンラインゲームや動画編集など、パソコンへの負荷が高い処理を続ける場合はバッテリー消費はカタログ値よりも早くなります。
ノートパソコン 選びかた
起動時間
パソコンの電源が落ちてる状態から、デスクトップの画面が表示されるまでの時間です。
ほとんどの人は気にしない部分ではありますが、この時間が早いと電源ボタンを押してからパソコンを操作できるまでの時間を短縮することができます。
購入時に、電源ボタン→指紋認証→デスクトップ表示までの時間が10秒前後だとストレスなく使用できます。
起動時間を短くしたい場合は、ストレージでSSDを選択することをおすすめします。(起動時間がHDDと比較して高速になります。)
Officeの有無
WordやExcel、PowerPointを使用する予定であれば、Officeが付属しているノートパソコンを選ぶようにしましょう。
付属していないモデルでも後から購入すれば使用することはできますが、ノートパソコンに付属しているモデルのほうが安価に使用することができます。
Officeには買い切り型の「Office2019」と、月額課金制の「Microsoft 365」がありますが、購入後の費用を抑えるためにOffice2019を購入するようにしましょう。
買い切り型であるOffice2019には種類があるため、購入前にどのソフトが使用できるようになるのかを事前に確認することが大切です。
Officeの種類 | 利用できるソフトウェア | 備考 |
Office Home & Business 2019 | ・Word ・Excel ・Power Point ・Outlook | 同一ユーザーが使用する 2 台の Windows PC または Mac で永続版の Office アプリを使用可能 |
Offoce Personal 2019 | ・Word ・Excel ・Outlook | 同一ユーザーが使用する 2 台の Windows PC で永続版の Office アプリを使用可能 |
ノートパソコン おすすめめメーカー3選
Dell
DELL(デル)は個人向け、企業向けのノートパソコンラインナップが豊富であり、安価なベーシックモデル~高パフォーマンスのプレミアムモデルまでの「4シリーズ」と「5つのラインナップ」から幅広く選ぶことができます。
即納モデルと受注モデルに分けられ、セールも頻繁に行っています。
DELL シリーズ
- 3000シリーズ(ベーシック / コスパ重視)
- 5000シリーズ
- 7000シリーズ
- 9000シリーズ(プレミアム / 性能・セキュリティ重視)
DELL ラインナップ
- Vostro(ボストロ)・・・中小規模企業向け
- Laatitude(ラティデュード)・・・ 中規模~大企業向け
- Precision(プレシジョン)・・・CAD、3Dグラフィック、開発環境向け
- Inspiron (インスパイロン)・・・個人向け
- XPS(エックスピーエス)・・・個人向け
DELLのおすすめポイント
性能に対するコストパフォーマンスをを求める方におすすめ
HP
HP(ヒューレッドパッカード)は個人向けノートパソコンのラインナップが豊富であり、公式ページでも図表を用いてわかりやすく記載されています。
HP ラインナップ
- プレミアム/ハイエンド
- スタンダード/エントリー
- chrome book
HPのおすすめポイント
デザイン・品質・価格のバランスを求める方におすすめ
Lenovo
Lenovo(レノボ)は個人からビジネス向けまで、用途別やスペック別に、視覚的に見てわかりやすいラインナップが豊富に展開されています。
Lenovo ラインナップ
- 製品タイプで探す(スタンダードノート、モバイルノート、ゲーミング、ChromeBook)
- 用途で探す(ビジネス、クリエイティブ、学生、ゲーミング、普段使い)
- スペックで探す
Lenovoのおすすめポイント
ある程度のコスパ・丈夫さと軽さを求める方におすすめ
VAIO
現在sonyのホームページから購入可能であるVAIOは、ラインナップが少なく少し値段が高いイメージですが、性能や筐体の丈夫さ、デザイン性から人気のあるメーカーです。
また、他のメーカーでは展開されていることが少ない14インチモデルが展開されている点も魅力です。
パソコンは受注モデルと即納モデルから選ぶことができます。
VAIO ラインナップ
- VAIO SX12(12.5インチ)
- VAIO SX14(14.0インチ)
- VAIO S15(15.6インチ)
VAIOのおすすめポイント
価格は高めでも品質重視の方におすすめ
この記事のまとめ
ノートパソコンについて、選ぶときに確認したいこと、おすすめのメーカーを紹介しました。
特に性能部分やOfficeの有無については購入前にきちんと確認するようにしましょう。
選ぶときのポイント
- OSについて(Windows / Mac / Linux) ⇒ 特別こだわりが無ければWindows
- 外観について(ディスプレイ / 重量 / 材質) ⇒ 特にディスプレイサイズに注意。主流は13.3インチから15.6インチ
- 性能について(CPU / メモリ / ストレージ / CPU / バッテリー駆動時間) ⇒ パソコンを選ぶうえで最も確認が必要
- 選び方(起動時間 / Officeの有無) ⇒ Officeは購入時に付属しているモデルがお得
メーカー別ポイント
- DELL ⇒ 性能に対するコストパフォーマンスをを求める方におすすめ
- HP ⇒ デザイン・品質・価格のバランスを求める方におすすめ
- Lenovo ⇒ ある程度のコスパ・丈夫さと軽さを求める方におすすめ
- VAIO ⇒ 価格は高めでも品質重視の方におすすめ