ポテンシャル採用とは、求職者のスキルよりも「意欲」「人間性」を重視した採用方法のことです。
企業側が求職者のポテンシャル(潜在能力)に期待した採用であるため、これまでの経験や技術力(専門的な知識)を求職者には求めません。未経験からでも対策をしっかりおこなうことで、大手や優良企業のエンジニア職を目指すことができます。
採用の過程では性格診断を行う企業が多いです。
ポテンシャル採用は主に新卒採用や未経験者を採用する時に使用される言葉です。経験や技術力を見られるのはキャリア採用と言われます。
この記事では、ポテンシャル採用について以下のポイントで解説していきます。
記事の内容
- ポテンシャル採用の特徴が理解できる
- ポテンシャル採用を受けるメリット・デメリット
- ポテンシャル採用の面接で注意するべき点と対策
ITエンジニアへの転職とポテンシャル採用は非常に相性がいいため、未経験からエンジニア転職を目指している人はぜひ参考にしてください。
ポテンシャル採用のターゲット人材
ポテンシャル採用のターゲット人材は、採用後に大きく成長して会社に貢献してくれそうな若手になります。
細かい条件などは企業によって変わってきますが、具体的には以下のような人材を求めています。
- 30歳未満
- 社会人としてのマナーがある
- 転職する職種の技術に対して興味がある
それぞれの理由を解説していきます。
30歳未満
年齢が若いと、企業としては会社の方針や仕事の進め方を1から教えることができます。
「前の会社はこうだったから」といった考えがあまりないため、会社の方針に慣れる期間が短くなり、教育に必要な期間を減らすことができます。
また、長期にわたって会社に属すことができる年齢でもあるため、育成を前提にした採用ができます。(育成計画を立てやすくなります。)
少数ですが、30代でもポテンシャル採用を行っている企業はあります。
社会人としてのマナーがある
社会人経験があるということで、一般的な社会人としてのマナーは身に付けている前提になります。
これは面接時の対応や会話によって判断されます。
企業側としては、マナー講習などの教育にかかるコストが不要になります。
転職する職種の技術に対して興味がある
会社側はエンジニアとしての素質がある人材を確保することが目的です。
そのため、技術に興味がある・資格を取得している(取得のために勉強している)人材を積極的に採用します。
単にプログラミングをしたいから、ネットワークに興味があるという理由ではなく、個人での取り組みを採用基準とするため、「成長意欲」が重要になります。
実際に入社前に資格を取得してくる人やオンラインスクールでプログラミングを学んでくる人が多いのは事実です。
また、スクールに付属している採用支援サービスの求職者から人を採用する企業も増えています。
ポテンシャル採用をする会社側の目的
ポテンシャル採用を行う会社側の目的は以下になります。
- 会社の若返りを狙っている
- 中小企業でも有能な人材を確保できる
それぞれ解説していきます。
会社の若返りを狙っている
若手が集まることで企業の平均年齢が下がり、若返りを目指すことができます。
また、未経験者でも内定を獲得できるというポジディブなイメージがつくことで、更に優秀な人材が応募してくることも期待できます。
企業のHPなどで「中途採用者インタビュー」が掲載されている会社はポテンシャル採用を積極的に実施している可能性が高いです。
中小企業でも有能な人材を確保できる
ポテンシャル採用は大企業が導入していることが多いですが、実際はBtoBの大手企業や中小企業にこそ適している採用方法になります。
スキルのある人材は大手企業や人気企業が「時間」「コスト」をかけて積極的に採用していきます。
しかし、中小だと大手のように人や広告費を大量に投資できません。中小企業ほど、素質を重視したポテンシャル採用を行うことで、素質のある人材を確保することができます。
ポテンシャル採用はIT業界に向いている
ポテンシャル採用は中小企業が実施していることが多いですが、IT業界であれば大手でも実施しています。
理由としては、
- IT業界は全業界の中で人材不足が深刻I
- IT業界は転職活動が活発であるため、人材の取り合いが激しい
ことが理由になります。
このような理由から、スキルがゼロに近くても意欲のある人材を積極的に採用し、育てる文化が浸透しています。
ポテンシャル採用で注意するべき点
ポテンシャル採用にも注意点は2点あります。
- ブラック企業でもポテンシャル採用はおこなっている
- 大手に目がくらんで嘘をつくのはNG
ブラック企業でもポテンシャル採用はおこなっている
ポテンシャル採用をしたい隠れた優良企業はリクナビネクストなどの転職サイトで積極的にスカウトメールを送っています。
しかし、その中には人材が欲しいだけのブラック企業もあるため、「合格確立が高いから」という理由だけでむやみに応募するのは危険です。
Openworkで社員の声を確認することや、四季報で離職率を確認するようにしましょう。
大手に目がくらんで嘘をつくのはNG
ポテンシャル採用は大手企業や人気企業も行っています。
なんとなく大手企業ならなんでもいいという気持ちで、興味のない職種に嘘の理由を設定して受けるのは止めておきましょう。
仮に入社できたとしても、入社後に公開することになります。
ポテンシャル採用を受けるときの面接対策
ポテンシャル採用は人間性が評価対象になるため、面接の回答もそれに合わせて用意する必要があります。
弊社について、どの程度ご存じですか?
会社の方針などの情報は必ずホームページで確認するようにしておきましょう。
また、募集要項と会社の事業内容を確認し、仕事内容への理解を深めておくことが重要です。
プライベートで継続的に学んでることがあれば教えてください
個人の学習意欲を確認されています。
昔から続いている趣味の説明ではなく、転職に向けて取り組んでいることを説明できるようにしましょう。
前職退職理由を教えてください
ポイントは以下の3つです。
- 前職の悪口や愚痴は言っていないか
- 前向きな退職理由か
- 人間関係を理由にしていないか
前向きな退職理由としては、「新しい業界・職種に挑戦したい」がベストです。
人間関係を退職理由にしていると、採用後もまた人間関係で辞めるのではないか?と疑われるため、絶対に退職理由にしてはいけません。
例え技術が身に着いたら会社を辞めるという考えを持っていても、それを悟られないようにしましょう。
成功、失敗した経験
大きな壁にぶちあたったとき、どのような対応をして乗り越えたのかをきかれます。
失敗した経験や挫折した事実を話すのではなく、壁をどのように乗り越えたのか、解決したのかを説明できるようにしましょう。
自分で考えて行動できるところをアピールすることで、企業側は「将来性に期待」「主体的に行動できる」「積極的に行動する」と判断するため、印象がよくなります。
目標と具体的なキャリア像を持っている人
自分の今の「スキル」「現状」を理解し、将来を見据えて行動できる人は採用されやすくなります。
曖昧なキャリア像ではなく、「こうなりたい」という宣言が大切になります。
まとめ:ポテンシャル採用で未経験からエンジニアになれる
ポテンシャル採用のターゲット人材は「30歳未満」「社会人としてのマナーがある」「転職する職種の技術に対して興味がある」ことです。
会社側がポテンシャルを実施する目的は「会社の若返りを狙っている」「中小企業でも有能な人材を確保できる」ことになります。
ポテンシャル採用は全業界の中で最も人出不足が深刻なIT業界で活発であるため、未経験からIT転職を目指している人はチャンスにもなります。ただし、「ブラック企業のスカウト」「やりたいことができる会社を選ぶこと」に注意しましょう。