上司や人事に退職を申し出ると、必ずと言っていいほど引き留められます。
引き留めるための条件として以下のようなことを提案されることや、もう少し残って欲しいと言われることは必ずと言っていいほどありえることです。
引き留め条件
- 基本給を上げる
- 部署移動を持ちかける
- 情に訴えかける
- 転職してもいいことは無い
など
この記事では、上司や同僚に退職について理解してもらい、トラブルなく円満退社できる「転職理由」について解説してますが、結論から記載すると「確実に退職できる理由」は以下になります。
「会社ではどうしようもすることができない、退職してからのプランを伝える」
退職理由は本当のことでも嘘のことでも問題ありません。重要なのは相手に納得してもらうことです。
この記事でわかること
- 確実に会社を退職できる理由
- 円満退職を目指すための注意点
- 退職するときに考えるよくある質問の回答
会社はなぜ社員を引き留めるようとするのか
退職したいことを直属の上司に伝えた場合、基本的には引き留められます。
引き留められる理由としては、以下のように大きく4つのパターンに分けることができます。
- 社員が辞めると業務に支障がでるため
- 社員が辞めると人員補充のためのコストがかかる
- 部下が辞めると上司の評価が下がる
それぞれの理由について詳しく解説していきます。
社員が辞めると業務に支障がでるため
辞める社員が担当していた業務は、残された会社で誰かが引き継がなければいけません。
1人で多くの業務をこなしているような「仕事ができる社員」が辞める場合、新しい人が入ってくるまでの間、残された人には一時的に仕事が割り振られることになります。これはチーム内での士気も下がることになります。
引き継ぎの手間や他の会社へ担当が居なくなることを伝える手間なども増えるため、簡単には辞めさせたくないということになります。
社員が辞めると人員補充のためのコストがかかる
人員補充のためには人を採用しなければいけません。
人を採用するのには、求人掲載・書類選考・面接といったフローがあり、それぞれで広告費や社員の稼働時間が必要になってきます。
なかなかいい人が応募にこない場合は長期的にお金がかかることも想像できますし、採用後も仕事を1人で任せられるようになるまでには時間がかかります。
採用コストは安いものではなく、時間も必要となるので辞めさせたくないと言うことになります。
部下が辞めると上司の評価が下がる
業界によるところも大きいとは思いますが、「部下が辞めるのは上司がきちんと管理できていないから」という風潮があります。
上司は周りの社員から「上司の管理が甘い」などと低い評価がつけられることを恐れ、辞めることについてなかなか納得してくれないことが多くなります。
IT業界ではキャリアップのための転職が当たり前なので、この理由はあまり当てはまりません。上司ですら転職していく業界です。
確実に退職するための3つの注意点
確実に退職するにあたり、会社とのトラブルは未然に防ぐ必要があります。ここでは4つの注意点を解説していきます。
- 退職の1ヶ月〜2ヶ月前に上司へ伝えること
- ぼやかさず、はっきりと断定的に伝えること
- メールや電話はNG、基本的には直接・厳しければWeb会議
トラブルが起こるとすぐに辞めることができなくなったりするので、次の転職先が決まっている場合などは特に注意が必要です。
それぞれの注意点について解説していきます。
退職の1ヶ月〜2ヶ月前に上司へ伝えること
法律上は2週間前に会社へ伝えれば辞めることが可能です。(民法627条)
とはいえ、2週間だとあまりに短い期間であり、「引き継ぎ」や「有休消化」が難しくなり、トラブルの原因となります。
会社の就業規則を必ず確認し、退職する1ヶ月〜2ヶ月前には上司へ伝えるのがベストです。「引き継ぎ期間」「この日から有給使います」など話し合いをしておくことで、トラブルを未然に防ぐことができます。
退職するにあたり、直属の上司へ伝えても取り扱ってくれない・退職願を受理してくれないということも考えられます。そのような場合は上司の上司にあたる肩書きの人や、人事へ直接交渉しても問題ありません。
いきなり人事へ退職したいと伝えるのはトラブルの原因になります。まずは上司→その上司→人事の順で交渉していきましょう。
上司も人事から「○○さん退職するみたいだけどなんで?」と言われたら立場がありません。円満退職を目指すには退職したい旨を伝える順番にも注意しましょう。
ぼやかさず、はっきり断定的に伝えること
曖昧な表現で会社を辞めたいなどの話し方では、上司側も「相談」として受け取ってしまいます。
転職理由が決まっているのあれば、○月○日から新しい会社で働きますので、○月○日付で辞めさせて欲しいとはっきり伝える必要があります。
転職が理由でないとしても、いつまでに辞めたいと言う具体的な言葉で意思表示するようにしましょう。
後から「そんな話は聞いていない」「相談だと思った」と言われてはトラブルの原因になります。
メールや電話はNG、基本的には直接・厳しければWeb会議
退職の申し出は上司と2人だけの空間(会議室やWeb会議)で実施するようにしましょう。
事前にメールや社内チャットで「打ち合わせをしてください」など、事前に伝えておくと証拠にもなります。
社会人のマナーとしては直接会話をするのがベストですが、体調を崩している時や育休中、リモートワーク中など、出社する機会がない場合はWeb会議で実施するようにしましょう。Web会議のアプリケーションを会社で導入していない場合は電話でも問題はありません。
大切なのは今の職場環境で、顔を合わせて話せるベストなシチュエーションであることです。
確実に退職できる理由は「会社ではどうしようもできないこと」
退職の申し出をすると、以下のように必ずと言っていいほど引き留められます。
引き留め条件
- 基本給を上げる
- 部署移動を持ちかける
- 情に訴えかける
- 転職してもいいことは無い
など
今はどの業界も人材不足であり、業務を覚えた人材を手放すのに企業側はメリットがないためです。
しかし、退職は人生の中で大きな決断の一つになります。会社や上司の同情に乗り、自分の決断やチャンスを逃すことのないようにしましょう。
退職するにあたり、理由としては以下が考えられます。
- 親の介護をしなければいけない
- 実家の家業を継がなければいけない
- 家庭の事情で引っ越しが必要
- 病気になり、仕事を続けられなくなった
- やりたいことが見つかった
- 転職する、または転職活動を始める
他にも退職理由はあると思いますが、基本的に2つのパターンに分けることができます。
- バレる可能性が少ない「退職してからのプラン」を伝える
- バレる可能性がある「完全に嘘の理由」
1つ目のバレる可能性が少ない「退職してからのプラン」は、例えば以下のような理由になります。
- 転職先が決まっている
- 独立・企業する
- 実家の家業を継ぐ
これらの理由は退職後にどうするかという話なので、退職を伝えるときにバレにくいです。転職先や起業内容をきかれても言わないでおくか、嘘をついても問題ありません。
2つ目のバレる可能性がある「完全に嘘の理由」については、自分の病気や親の介護に関することです。ただし、仮にバレた場合でも懲戒解雇になることはありません。
退職時に嘘を伝えるのは問題ないですが、バレてしまうと退職までの間は気まずい雰囲気の中で仕事をしなければいけないため注意が必要です。モラルがない社員などがありこともしないうわさ話を広げるなど、嫌がらせを受ける可能性もあります。
嘘をつく場合は、バレる可能性が少ない「退職してからのプラン」を理由にしましょう。
「私の場合、友人が起業するからそこの社員として働きます。」という理由で転職したこともあります。
退職理由で嘘を伝えても良いのか?
これは問題ありません。基本的に退職願では、退職理由について「私用のため」と記載します。
そのあと面談などで詳しい理由を聞かれる可能性がありますが、ここで正直に伝えなければいけない法律や義務はありません。
転職サービスを展開しているエン・ジャパンが118名の転職コンサルタントに調査したデータでは、退職者の本当の退職理由を企業に伝えているケースの方が少ないと回答しています。
実際に企業とやりとりをしている転職コンサルタントでさえ、多くの割合で退職者の本当の退職理由を企業に伝えていないという結果がでています。
手間なく退職したい人は「退職代行」がおすすめ
- 退職する理由を考えて上司や人事に話しても説得できる自信がない。
- 退職を申し出た後に会社で働き続けるのは気まずい
- ストレスが限界まで溜まっていて一日でも早く辞めたい
このように考える人も多いかと思います。
このような時は、退職のプロである転職代行サービスを利用して、円滑かつ合法的に会社を辞めることをおすすめします。
転職代行サービスは、退職に関する手続きを全て代行してくれるサービスのことです。
会社というのは簡単に辞められるものですが、上司や人事の承認が必要なのも確かです。
転職代行サービスでは、専門家が正しい手順で退職交渉・手続きを進めていきます。社員を辞めさせないとしている会社でも、確実かつスムーズに辞めることができるのがメリットになります。
確実に退職できる理由に関するQ&A
ここでは退職に関する悩みについて回答していきます。
実際に退職するとなると、多くの悩みがでてくるかと思います。私自身もそうでした。
Q.上司が退職願を受け取ってくれない
A.上司が退職願を受け取ってくれない、または受け取った後に処理をしていない場合があります。
上司が退職願を受け取ってくれない場合、上司の上司へ提出してみましょう。それでも受け取ってくれない場合は直接人事へ提出するようにしましょう。
基本的には退職願を受理した翌日には、人事から手続きや退職理由を聞かれる面談が発生します。退職願を出した後3日経過して誰からも転職について聞かれない場合は、人事に伝えるようにしましょう。
私の場合は上司に退職の申し出を行い、退職願を提出したのに上司が退職願を放置していたということがありました。少しでも怪しいと感じたら、勇気をだして課長や人事に手続きはどうしますか?と聞いてみるようにしましょう。
Q.転職先が決まっていることは伝えるべきか
A.次の転職先が決まっている場合は正直に伝えて問題ありません。
ただし、転職先の情報を上司や人事から質問される可能性があります。それらは基本給の引き上げなど、退職引き留め時の交渉材料になります。
転職のことは伝えても、転職先までは伝えないようにしましょう。
Q.退職理由がないけど辞めたい。おすすめの嘘理由
A.本当のことでなくても問題ないので、「会社をやめた後のプラン」を話すようにしましょう。
- 転職先が決まっている
- 独立・企業する
- 実家の家業を継ぐ
退職理由を上司や人事に伝えてから辞めるまでの期間は引き継ぎを含めた場合1ヶ月〜3ヶ月ほどかかります。
その間にバレたときのリスクを考え、退職理由を検討するようにしましょう。
Q.退職させられないと言われたけどバックレてもいいのか
A.バックれは止めましょう。デメリットしかないです。
バックれるとなると、無断で会社を休むことになります。2週間以上の無断欠勤をした場合、「解雇予告除外」に該当することになります。こうなると企業側は予告なしで従業員を懲戒解雇することができます。
バックれた後に電話などを無視していると、2週間後に「懲戒解雇」となる可能性がでてきます。懲戒解雇は労働者に与えられる処分の中で最も重いペナルティになり、バックれは犯罪行為や経歴詐称と同等の扱いとなります。
懲戒解雇は今後の就職にも大きく響いてしまうため、絶対に止めておきましょう。
どうしても会社に行くのが辛くてバックれたい場合は、以下のように安全に退職できる道を選んでください。
- 内容証明書付きの退職どど毛を人事部へ郵送する
- 親を通して会社へ退職する旨を伝えてもらう
- 退職代行サービス利用する
Q.すぐに会社を辞められる転職理由なんてある?
A.退職代行サービスを利用することが最も効果的です。
病院でうつの診断書を発行してもらい人事へ提出する、どうしても2週間後には辞めたいと伝える、いづれもすぐに辞めることは難しいのが現状です。
うつの診断書を提出すると、まず「休職」扱いとされる可能性が高いです。
まとめ:確実に退職できる理由
確実に退職できる理由について解説しました。
本記事の内容をまとめると、
- 確実に会社を退職できる理由は「会社ではどうにもできない、退職してからのプランを伝えること」
- 退職の申し出をするときは後々トラブルにならないように注意する必要がある
- 退職理由では「嘘」をついても良い
- 退職代行サービスを利用することで、「確実に」「早く」辞めることができる
本記事の内容が退職に悩む・迷う人の参考になれば幸いです。